恋人未満のこじらせ愛
固まる私達をよそに、江浪さんと伊藤さんはパンをバクバク食べている。
「ほら、二人とも食べなよ」と伊藤さんがせかすので、とりあえず目の前のパンに手を伸ばす。
お気に入りの塩パンだ。やっぱりシンプルだけど美味しい。


「で、二人は結婚すんの?」
ひと口食べたのを勢いよく吹き出す私と智也さん。
最近のこの江浪さんの遠慮のない具合は、伊藤さんに似てきている気が、する。
「将来的に、だけどね?」

「……いや、まだ考える段階でもないです」
さっき付き合い始めた人を前に、何を言ってるんだこの人は。

「俺はしたいと思ってるけど」
……ってえぇ?!
固まり持ってたパンを落とす…と江浪さんはクスクス笑っている。


「まぁでも大村、広報何年目だ?一年半?」

「移動あったし昇進したけど…それぐらいだな」

「じゃぁあと一年半ぐらいだなぁ」


あと一年半?
よくわからず首を傾げていると、伊藤さんが気付いて「キャリア組ってわかる?」と聞いてくる。
当然わからず首を横に降ると「まぁ女子とは無縁だよね」と言って説明してくれた。
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