恋人未満のこじらせ愛
経理部に居た頃から『お前が経理部とは勿体ない』と言い、広報部に配属になってからは上手いこと私の長所を引き出しているらしく、仕事っぷりを褒められることが増えた。
今日だってそうだし、営業部からもわざわざ『この前の資料、分かりやすかったです』とご丁寧に報告をいただいたぐらいだ。

「私もさぁ、この広報部に移動なって、課長の下で働くようになって…経理部に居た頃より何倍も楽しいよ。やりがいがすごくある」

そう言うと石見君はコクりと頷いた。

「でも一個、すごく残念なことがあるんです」
「何?」

「菅原さんと一緒に働くのが、残りわずかなことです」
「嬉しいこと言ってくれるね」

そう言われて嫌な気がするわけはない。
思わず笑みがこぼれると、石見君も同じように目を細めていた。
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