恋人未満のこじらせ愛
楽しい時間はあっというまに過ぎていく。
ふと石見君の腕時計に視線を合わせると、もう夜の9時になろうとしていた。
もうそんな時間か。
何気にバッグに沈んでいる携帯を取り出すと……課長からのメッセージがこんもり溜まっていた。
『石見君と居るのか?』
あぁ、そういや石見君さっき私と居ると送っていたな。
『どこに居る?』
『まだか?』
『待ってるから』
待ってる?どこに?
受信時間は…数分前だ。
『どこですか?』と送ると『高架下の駐輪場』と返ってきた。
そう言えば…ここに来る途中にあったな。
「そろそろ帰ろうか」
ちょうど周りの席の人達が帰りだしたので、便乗するように切り出す。
「そうですね」
そう言って石見君は立ち上がって「今日は奢らせてください」と財布を出す。
「いや…それは悪い」
私も負けじと財布を取り出す。
さすがに、後輩に奢られるのは…。
「もう何の為の実家暮らしなんですか!」
そう言うと石見君はさっさと席を立ち、レジへと行ってしまった。