恋人未満のこじらせ愛
慌てて準備をして席を立つと、既に石見君は会計を終えている。
財布を完全にしまっているので…しまったなぁ、もう完全に受け取ってくれなさそうだ。

「何か奢らせて、ホントにごめん…」
「いや、謝って欲しいわけではないんで…」
少し困り顔の石見君。それもそうか。

「本当に、ありがとう」
改めてお礼を言うと「こんな時ぐらいしかお金を使わないんで。気にしないでください」と言ってにっこりと笑った。


「さぁ行きましょうか。名残惜しいですけど」
「うん、今日はすごく楽しかった。ありがとう」

騒がしいフロアを抜けて、二人で階段を下っていく。
パタ・パタと誰も居ない階段に、静かに二人の足音が響く。

「菅原さん、明日って何してます?」

「明日?普通に家にいる予定だよ」
いつも休日はネットの有料放送の映画チャンネルを見てることが多い。
基本は引きこもり。


「だったら俺と出かけませんか?」

「え………?」


思わず足が止まる。
石見君と出かける??
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