私、花嫁にはなれませんっ!
せっかくの入学式なのに、そんなの無いよ…。
お父さん、お母さんもから何も聞いてない。お姉ちゃんも絶対に知らない、と思う。

優しい花々の香りに包まれているのに、私の足元はブラックホールに落とされたように、重力なくクラクラと揺れる。

『美紅、逃げちゃダメなんだよ。』

その言葉はとても優しく

『僕達は全員君の事が好きなんだ。』

と告げられる。

「うっ…うう…」

思わず嗚咽が盛れる。本当は全然分かってない。分かってないけど、私は花嫁にならないと…ダメなんだ…。

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