御曹司は恋の音色にとらわれる
パガニーニ 24のカプリース作品1より
「第24番」クワジ・プレスト

華々しい変奏曲。
主題と11の変奏、それに終曲がついてくる。

重音奏法や、見た目でも目を引く左手ピッツィカート。
超絶技巧を次々繰り出していく。


その音色は会場を包み込み。

空気を揺さぶり。

魂に語りかける。


手は縦横無尽にヴァイオリンを行き来する。

演奏を終えた時、
わっと、声が上がった。

そして割れんばかりの拍手。

拓を見る、満足そうに微笑んでいた。
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