想い花をキミに
第1章

love stage0. プロローグ

継母にだってプライドはある。

シンデレラの継母がずっと彼女をいじめていたように。

素敵な王子様と巡り合い幸せいっぱいの大逆転を起こさない限り、
継母に改心させるきっかけなんてそうそう来ない。

私の継母だって同じ。

愛だの情だのなんておかまいなしで、普段は私を空気同然に扱うくせに、
不満がたまるとヒステリックに怒鳴り散らしてストレスのはけ口にするんだ。

体中にあるあの女から受けた傷が今日も心臓の鼓動に合わせてズキンズキンと痛み出す。

”ガチャガチャ”

ドアの向こう側から聞こえてくるのは、不機嫌そうなため息と玄関の錠を外す音。

また男と別れたんだろう。

荒々しく玄関のドアが開く音がして──

この扉が開いてしまったら、
私の世界に愛なんてものはこれっぽっちもないことを実感する。

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