想い花をキミに
第3章

love stage13 . 初恋の記憶

よみがえったのはまだ小さかった頃の記憶。

私は自然がいっぱいのとある田舎町に暮らしていた。
まだ両親が生きていて、お母さんは私に「遠くに行っちゃだめよ。」と言いながら忙しそうに働いている。

目の前にいるお母さんの着ていた白い服が天使みたいで「お母さんは天使なの?」って聞いたことがあったな。
そしたらお父さんが「そうだぞ。お母さんは白衣の天使なんだよ。」って笑ってた。

私の幸せな記憶。
その記憶の中にもう一人いるのは、知らない男の子。

その子が私の手を引いて川辺を歩いていて、ここにはこんな魚がいるんだよとかこの花はねって自然のことをたくさん私に教えてくれるの。

だけどその男の子はある時急にお別れを告げて来て、

「どうして?」って泣く私に「大きくなったらまた会えるよ。」って言って綺麗なお花をくれたの。

「これはネリネって言うんだ。日の光に当たるとキラキラ輝いて見えるから、またの名をダイヤモンドリリーとも言うんだよ。」

「そうなの??」

「そうだよ。この花には、再会って意味があるんだ。だからいつかこの花が咲く季節にきっとまた会えるよ。」

「約束だよ??」

「うん。約束」

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