想い花をキミに

love stage final. 決戦の終わり、あなたといつまでもずっと

「披露宴は13時から、場所は○○ホテル大宴会場って、ここだよね。」

昨日隼太に渡された案内状を見ながら、私は緊張気味に受付へと向かっていた。

「俺は一緒には行けないけど、中で待ってるから」

隣に彼はいないけど、私は一人でも会場に来れたよ。
本当は怖いし不安でいっぱいだったけど、左手の薬指に輝く指輪に触れながら、「よし、行ける」と気合を入れた。

受付を済ませ案内役のボーイさんについて会場の中へ足を踏み入れた私は、目の前に広がる華やかな装飾ときれいに並べられた豪華な料理、そして美しく着飾ったご令嬢たちを見て少したじろいでいた。

できるだけ目立たないようにと会場の隅へ移動してみたけど、そこもなんだか落ち着かなかった。
やっぱり私には相応しくない場所なのかな、と弱気になる自分がいる。
ううん、そんなこと思っちゃいけないよね。これから偉大な経営者となる彼を支えていくものとして、弱気になってもそれを表に出しちゃいけないんだ。
隼太だって私以上に頑張っているはずだからね。

そう思って思い切って顔をあげて周囲を見渡してみると、会場にいるのは当然だけど皆それぞれが重要な肩書を持っていそうな顔つきの人ばかりだった。

その中に私はある人の姿を見つけた。

あ、隼太のお父さんだ。

そしてお父さんが丁寧に頭を下げている相手は、いかにも財閥って感じの見た目で、その隣にはこれまた美しく着飾ったお嬢さんがいた。

そのお嬢さんはドレスではなく着物を身にまとっていた。

その顔に浮かぶ笑顔は、何百万もしそうなその高級な生地にも負けないくらい輝いていた。
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