想い花をキミに
男の手が私の服にかかり、乱暴に脱がそうとしてきた。

「いや！！！やだあ......やめてっ！」

助けなんて来るはずもないけれど、必死で抵抗した。

「騒ぐんじゃねえよ！！」

男が私の顔を殴った。
一度じゃなく何度も。

殴られるのは慣れていたはずなのに、抵抗する力が抜けていく。

ダメだ......勝てない......

抵抗しなくなった私を見て男が嬉しそうに変な笑い声をあげた。
そして男の顔が近づいてきて、
もう目と鼻の先という時、──

隼太の顔が浮かんてきた。
一晩しか一緒にいなかったのにはっきりと見えた気がしたの。

「触らないで！！！！」

私は渾身の力を込めてその顔めがけて頭突きを食らわせてやった。
男は面食らって両手で額を抑えながらよろめいている。

その一瞬の隙にベッドから転がり落ちるように飛び出ると部屋から出ようとした。
けれども、すぐに体制を立て直したその男が、逃がさないと言わんばかりにドアの前によろめきながら立ち塞がるのが見えた。

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