美しい敵国の将軍は私を捕らえ不器用に寵愛する。

闇に堕ちた夜

白起について行く事を決めた話し合いの後、陣営に戻ると私は寝台に押し倒された。




白起は初めての事に戸惑う私を見て言った。

「今からお前を抱く。良いな。」

私はとうとうこの時が来たかと思った。




でも相手か白起なら構わない。

むしろ大罪を犯し、深く傷付いている白起と繋がる事で、その苦しみを少しでも癒し、分け合えれば良いと思った。

そこで私は静かに頷いた。




すると白起は私に口付けをした。

私はそれに応じた。




口付けは随分長いものだった。

私も白起も何故か目を開いていたため、二人はずっと見つめ合っていた。




長い口付けが終わり、白起と見つめ合った。

私は何故か笑ってしまった。




それを見て白起は優しく言った。

「怖いのか?」




私は言った。

「いいえ。ただ何だか不思議な感じで。前の世界では友達すらいなかったのに、この世界では、恋人が出来てしかもそれが、敵国の将軍なのよ。人生って分からないものだなって。そしたら何だかおかしくなっちゃって」




白起は言った。

「お前にはもしかしたら他に運命の人がいるかもしれない。だが俺にはお前だけだ。絶対に離さないからな。」




私は返事の代わりに白起に口付けをした。

私もあなたの側を離れる気はない。

私はその事を彼に伝えたかった。




白起は口付けをしながら私の体に触れた。

そして私達は熱に浮かされた様に激しく、長く愛し合った。




全てが終わり私は思った。

これで私達は真に一つになったと。

そして決めた。

白起の罪がどんなに大きな物でも私は立ち向かうと。

そして白起を必ず幸せにして見せると。

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