社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「え? なんで?」

修ちゃんは、クスクス笑う。

「だって、一緒に出勤して、一緒に帰るだろ?」

「あ…」

社長と秘書が同居って、そういう事か。

修ちゃんは、鍵をしまうと、私の手を取って歩き出した。

え!?
なんで、手!?

私が戸惑って動けずにいると、

「あ、ごめん。
のどかは、もう1年生じゃないから、手、
繋がないよな。」

と修ちゃんは、慌てて手を離した。

「あ、いえ。」

「俺、なんとなく、のどかとは手を繋いで
歩くもんだと思い込んでたかも。」

修ちゃんは照れたように笑う。

わっ、なんか、かわいい。

頬を染めて、照れる修ちゃんがかわいくて、思わず胸の奥が、きゅんとした。
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