社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「くくっ
アジフライまだかなぁと思って、下から
呼んだんだけど、返事もないし、何かあったの
かなと思って上がってきたら、すやすや気持ち
良さそうに寝てるから、かわいい寝顔を
見てた。」

私は慌てて、飛び起きた。

時刻は午後8時。

修ちゃんは、ベッド傍に座り込んで、頬杖をついて、私の顔を覗き込んでた。

「ごめんなさい!
すぐ、作ります!」

私がベッドから降りようとすると、

「いいよ。引っ越しで疲れたんだろ。
アジフライは、また今度作って。
今日は、食べに行こう。」

そう言って、修ちゃんは私の頭を優しく撫でた。

「う、ほんとにごめんなさい。」

私が頭を下げると、

「ほんとに、もういいから。
のどか、何食べたい?」

「アジフライ以外なら何でも。」

「ぷっ
そうだな。
アジフライは、明日以降にとっておこう。
じゃ、寿司でいい?
出前、取ろう。」

「うん。」
< 43 / 257 >

この作品をシェア

pagetop