社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「逆に、どんな事をしてくれるの?」

「基本的には、スケジュール管理と雑務全般
です。出張時の手配、会議資料の作成、来客の
接遇、その他社長が社長業務を遂行する上で
必要だと思われる事全般です。」

「じゃあ、はい。」

社長は、タブレットを差し出す。

「その中のスケジュールは、俺のとリンク
させてあるから、それで管理して。
で、そこの机使っていいから。」

見ると、面接の時にはなかった机が、入り口から見て、左隅に置かれている。

「社長と同室でいいんですか?」

私が確認すると、

「その方が仕事を頼みやすいし、ここには
前室も設けてないから、下の総務のフロアに
いてもらうのもお互いやりにくいでしょ?」

と社長が言うので、

「かしこまりました。
こちらで作業させていただきます。」

と了承した。

私の机の上には、ノートパソコンが置かれており、その上にケースに入った名刺が置かれていた。
< 49 / 257 >

この作品をシェア

pagetop