大人になった私から子供の頃の私へ
「さっ行きましょう伊咲。」

そう言って私を立ち上がらせようとする舞ちゃん。

「ごめん、舞ちゃん足痛くて立てない…」

さっき転んだせいで足首は腫れ上がっていた。


「鷹大!」
信大くんが叫んだ。

鷹大って誰だろう...初めて聞く名前。
...なんて足痛くて立ち上がれさえしないくせに呑気な事を考えている自分にふと呆れる。


信大くんに呼ばれて現れたのは、きっと鷹大って人。
よーく見ると何処と無く信大くんに似ている。


鷹大と呼ばれるその人は、舞ちゃんから状況を聞くと、私の足を見た。

「うっわ…痛そう…大丈夫か?」

あまり見たくなかったから見なかったけどよく見たら足首は青黒く腫れ上がっていた。
そりゃ、こんなに腫れてたら痛いか…
なんて呑気な事考えてるとフワッと体が宙に浮いた。

「大丈夫な訳ねーな。はい。保健室。」

そう言って軽々しく私を抱き上げた鷹大と呼ばれる人はお姫様抱っこして階段を降りていく。


「あっあのーやっぱり大丈夫です。歩けますので降ろしてください。」

申し訳なさと周りの目が気になり声をかける。


「あのな、馬鹿か?こんな足で歩ける訳ねーだろ。落ちるぞ。黙って捕まってろ。」


「いや…私重いし…ね?降ろしてください…」


「うるせーな。黙って捕まってろよ。」

どうやら降ろしてくれる気は無いみたいだ。
まぁ、降ろされた所で歩ける訳もないし、このまま誰かに突き落とされても困るから黙って保健室まで運んでもらう事にした。
< 9 / 37 >

この作品をシェア

pagetop