別のお話。

でもそれでいいんだと思う。

だからこそ俺も下手な意識をせずに接することができる。

だからこのままでいいんだ。

だけどいつかは二人も女になってしまうんだろうか。

先輩にとって凪がそう見えているように、俺にとってもいつか二人は女になってしまうんだろうか。

そのことがちょっと寂しいなんて、そんなことを思ってしまった。

平日の映画館は話題作にもかかわらず割と空いていた。

だけど恋愛ものなだけあって来ているのは女の子同士のグループとカップルばかりだった。

電車に乗っている時に感じた何倍もの居心地の悪さに苛まれながら、だけど隣ではシヅキが嬉しそうにはしゃいでいた。

シヅキは一番前で観たいと言ったけどそこは意地でも譲らなかった。
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