別のお話。

だってこの中で。

一番前で。

男一人で。

恋愛ものの映画とか。

そんなのさすがに恥ずかしすぎる。

そんなの九十分も我慢できない。

だから「一番前がいい」と駄々をこねるシヅキを無視して一番後ろの席に腰を落ち着けた。

「どんな内容なんだろうね」

諦めたのかシヅキが俺の隣に座ってこれから始まる映画に想いを馳せている。

ー予告見ただろ
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