別のお話。

午後の授業を終えるとそのままバイト先に向かった。

七時頃常連のお客さんが来て「月曜日から北本くんに会えるなんてラッキーだわ」と声をかけてもらえた。

九時にバイトを上がって、夜の街を自転車であの丘へと向かった。

今日は自転車に乗ったまま坂道を登った。

途中でいつものサラリーマンを追い越した。

丘の上には人影がなく、木の側に自転車を止めて乱れた息を整える。

それから空を見上げて大好きな人へ憶いを馳せる。

シヅキ、そこからは俺のことが見えているんだろう?

今日もそこから見ててくれてるんだろう?
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