別のお話。
それから俺は家の中へ招いてもらった。
一通りの挨拶も済ませた。
そしていまは淹れられたオレンジジュースを飲んでいる。
「春人くん、見て。ほら、こんなに素敵。本当にありがとう」
シヅキのお母さんは俺が持ってきた花束を花瓶に生けてから見せてくれた。
「春人くん。一つお願いしてもいいかしら?」
「はい」
「春人くんが持ってきてくれたこのお花を、あの子の所まで持っていってもらえる?」
シヅキの仏壇はドアを外されたリビングのすぐ隣に置かれている。
俺はシヅキのお母さんから花瓶を受け取ってからシヅキの写真と向かい合った。
ーチーン。
花瓶を置いて、ろうそくに火を灯して、線香に火を移してから鐘を鳴らす。
それから手を合わせた。