春待ち
―あったのだ。
僕が告げたアパート前にタクシーが止まると、恵が料金を払い一緒に降りた。
「今日いくつめの偶然かしら?」
そう言って入口に並んだポストの1つを指差した。
『佐藤恵』僕の3つ隣の部屋だった。

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