爽やかくんの為せるワザ
――トイレから出て皆がいる部屋に戻る途中、ポケットの携帯が通知を知らせた。
画面を見ると、そこには藍くんからのメッセージ通知が表示されてあった。
あれ、藍くん?
『珠姫ちゃんお疲れ様!
今打ち上げ中?』
そのメッセージを見た瞬間、心がぽっと温まる感覚を覚えた。
すごい、藍くんは文字でもマイナスイオンを放ってる。
やっぱり癒されるなぁ。
「藍くんも文化祭お疲れ様!
打ち上げ中だよ。藍くんもだよね?」
スマホをタップして藍くんに返信する。
藍くん達1組も今日お店で打ち上げをしているらしい。
打ち上げを楽しみにしてたらしいカツくんは楽しめてるだろうか。
「……あ……成瀬さん」
すると不意に私を呼ぶ声がした。
顔を上げると、佐賀くんがこちらに向かって歩いてきているのが見える。
佐賀くん?
「どうしたの?お手洗い?」
「い、いや……ちょっと落ち着きたくて……」
ふうと溜息を漏らす佐賀くん。
そっか、大勢があの大部屋に集まってるし、ちょっと息苦しかったのかな。