爽やかくんの為せるワザ




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テスト期間に入ると、各部活も休みになるらしい。


下駄箱はいつもより生徒数が多くて、だいぶ混雑していた。



人が少なくなるまで、私は沙羅ちゃん桃ちゃんと廊下で待つことに。





「テストまじだりぃ」


「沙羅もちゃんと勉強しなよ?」


「無理だわ……なんも頭に入って来ねぇ」


「やる前から諦めちゃ駄目だよ。実は沙羅が天才的な頭脳持ち合わせてるかもしれないじゃん」


「今更もう気付くわけねぇだろ!高2だぞ!?
まじでそんな才能あるならどっかで気付いてるだろーが」


「あはは、それもそうだね」


「目が笑ってないんだよ桃は……。
珠姫は頭良いもんなぁ」


「そんなことないよ!ほぼ平均点だよ」


「そのレベルはあたしからしたら頭良いレベルなんだよぉ」





珍しく大きな溜息と弱音を吐く沙羅ちゃん。


沙羅ちゃんは赤点ギリギリらしいから、相当勉強が苦手なんだろうな。



うーん。





「あ、じゃあテスト勉強一緒にする?」


「おおー!いーじゃん。楽しそう!」





私の提案にすぐ賛成してくれた沙羅ちゃんの勢いは凄かった。



でも良かった。

これで少しは勉強にやる気出してくれればいいんだけど。



……私も人のこと言えないけどね。




と、




「じゃあ場所は藍ん家で!」





突然背後から聞こえた声に、私達は驚いて振り返った。



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