爽やかくんの為せるワザ
――結局私達3組は委員長の案だった〝男女逆転カフェ〟をすることになった。
全員一致でその案に賛成していて、委員長は遂に泣いて喜んでいて。
委員長が頑張ってくれたおかげだ。
ありがとう、委員長。
「あたしが男装しても怖いだけじゃね?」
帰り道、私と沙羅ちゃんは文化祭の話をしていた。
桃ちゃんは実行委員の会議があるとかで、私達は先に帰っているのだ。
「そんなことないよ。沙羅ちゃんイケメンになるよ」
「マジぃ?」
「私惚れちゃうかもだもん」
「…珠姫がそう言うなら、まあ、やってやってもいいけどさ!」
少しだけ嬉しそうにニヤつく沙羅ちゃんが可愛い。
絶対文化祭楽しくなるだろうな。
すっごい楽しみだ!
「……てか桃、また実行委員やってるな」
「だね。桃ちゃん優しいもん、きっと皆の為だよ」
「……だろうな」
「皆が文化祭を楽しめられるように、自分が良い物にするつもりでやってるんだろうね」
「だから自分がどれだけ大変だろうが、皆が楽しめるならなんでもいいって感じか」
はぁ、と溜息を漏らす沙羅ちゃん。
……桃ちゃんも、沙羅ちゃんと同じように友達想いだ。
友達とか周りの人と楽しむことが何より幸せらしくて。
自分より友達を優先することが多い。
きっと沙羅ちゃんは、もっと桃ちゃんに自分自身を優先して欲しいんだろうな。
沙羅ちゃんも優しすぎだよ。