爽やかくんの為せるワザ

クリスマス





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「おめでとぉ〜!」




私は桃ちゃんに抱き着いて声を上げる。

桃ちゃんはそんな私の頭を撫でながら、穏やかな表情で「ありがとう」と言ってくれた。




翌日の今日、私と沙羅ちゃんは桃ちゃんから「カツと付き合うことになった」と報告を受けた。


本当にどうなるか分からなかったけど、カツくんの想いが桃ちゃんに伝わって本当に嬉しい。

なんだか泣きそうだ。


良かったね……カツくん!




「たまと沙羅は知ってたんだね」


「カツから相談されたしな。あたしらも桃は気付いてんじゃないかってちょっと思ってたけど」


「いや全然。びっくりした」


「桃ちゃん、これから楽しいこといっぱい増えると思うよ!」




私の言葉に、桃ちゃんは少しきょとんとする。



カツくんはもちろんだけど、きっと桃ちゃんもこれから楽しくなると思うんだ。


だって、カツくんと一緒にいる人達は皆笑顔なんだもん。

周りを楽しませられる、すごい人だもんね。




「これであたしら全員彼氏持ちになったな」


「ほんとだ。なんかすごいね」


「また皆で遊びに行きたいね!」


「も〜可愛いなぁたまは。うんうん、遊び行こうね」




まるで犬をあやすかのように桃ちゃんは私を撫でくりまわした。


幸せになってね、桃ちゃんとカツくんっ。


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