爽やかくんの為せるワザ




「珠姫が受け入れられるような男なんているんかなー」




沙羅ちゃんは箸を止めることなく、若干笑いながら話している。




「い、いるもん。多分」


「じゃあ珠姫にちゃんと好きな人が出来たら認めてやる」




ニッと悪戯っぽく笑う沙羅ちゃんを見て、私はむーっと口をつぐむ。




私成瀬珠姫は〝男子と必要以上に仲良くなれない〟のだ。


比較的仲が良い男子とか、よく話す男子が出来たとして、その人とそれ以上に関係が発展するのを拒否してしまう。


それは友達だけじゃなく、好きな人に対しても。



好きになった人と晴れて友達になって、どんどん仲が良くなっていってた時もあったんだけど、

仲が良くなるにつれて、なぜか拒否反応が比例して大きくなっていってしまった。



最初はそんな拒否反応を隠して隠して、頑張って関係築いてたんだけど、気付けば〝無理して笑ってる〟自分がいて。


結局その男子に告白することもされることもなく、私が無意識に避けていて、疎遠になってしまった。



……でも、勘違いしないで頂きたいのは、私は彼氏をちゃんと〝作りたい〟と思っているということ。



こんな性格で何言ってんだって感じだけど……。



……こんな私にも拒否反応が出ないような運命の人が現れてくれるって信じてるんだ!


拒否反応が出る明確な理由ってのは分からないんだけど、多分その人のことを本当に好きになってはいないからだと思うの。


だから、本当に好きになれるような人に出会えたら私にもそのチャンスができるはずなんだ!



……まあ、こうして高校2年生になった今でも出会えてないんですけどね。



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