爽やかくんの為せるワザ
「たまのタイプってなにー?」
桃ちゃんの大きな目がこちらを見つめる。
……私のタイプかぁ。
「うーん、……優しい人」
「あのなぁ、優しいってのは大事だけど、それを前提に自分の好みを分析してみろって言ってんの」
「たまが付き合いたいなって思えるような人を想像してみ」
自分の好みを分析……。
付き合いたいと思える人……。
「強いて言うなら……」
私の言い出しに、2人は相槌を打ちながら半ば食い気味で聞き入ってくる。
「〝笑顔が素敵な人〟……かな」
「……まあ、珠姫にしては頑張って導き出した方か」
「笑顔可愛い男子って良いよね〜」
再びお弁当を食べ進める沙羅ちゃんと、笑顔で頷いてくれる桃ちゃん。
……だって、具体的な想像なんて難しい。
付き合ったことないんだから、自分が何を求めてるのかが分からないもん。
……こんな調子でほんとに彼氏なんて出来るんだろうか……。