爽やかくんの為せるワザ





――「えー!佐賀くん超うまーい!」




早速看板のデザインを考えることにした私達『外装班』は、まず紙に大まかなデザインを書き出していた。

主にペンを進めているのは美術部の佐賀くんで。

その手から描き出される絵は、落描きとは思えないような素晴らしいものだった。




「……どうも」


「さすが賞取った人はレベル違うね〜。でもたまちゃんも上手いよね!絵柄可愛い!」


「ほ、ほんと!?ありがとうっ……」




私の描いたデザインが2人にまじまじと見つめられ、私はなんだか恥ずかしくて顔が熱くなってしまった。


佐賀くんの画力に比べたら私なんて全然だけど、こうやって褒められると……嬉しいな。





「じゃあ佐賀くん、この客引き用看板に下描きお願いしてもいい?」


「…うん」




静かに返事をして頷いてくれた佐賀くんは、用意していたダンボールにスラスラとペンを走らせ始めた。



ペンに迷いがない……。

さすがだなぁ。




佐賀くんが下描きをしてくれている間、私達は他のデザインを考えていく。


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