ラジオ越しのあなたと
高校に着くと初めて見る人、中学校が同じ人など様々な人がいた。


私は愛梨と一緒にクラス表を見に行った。


中学校は3年間一緒だったから高校も同じだったらいいな、って今日行く途中に話していたところだ。


すると愛梨が、


「南、残念なお知らせがあります。」


と暗い顔で言ってきた。


なんだと思い、愛梨にどうしたのかと聞くと、

愛梨がいきなり


「またクラスが一緒ですーー!!!!」


と嬉しそうに言ってきた。


「え、や、やったーー!!!」


戸惑いながらも喜んだ。



「な、なんだクラスが一緒ってことなのね!びっくりしたじゃん。もーう!笑」


私は愛梨に文句を言いながらも一緒に喜ぶと、私たちはウキウキしながら体育館の中へ入って行った。




指定された席へと座ると入学式が始まった。


校長先生の話や新入生代表の挨拶が終わると、次に生徒会長の挨拶が始まろうとしていた。


「生徒会長挨拶。」


司会者がプログラムを言うと生徒会長がステージに向かい始めた。


すると、どよめきが走り始めた。


なんでみんなどよめいているんだろうと、不思議に思い生徒会長の方を見てみた。



するとなんとそこには、合格発表の時と同じ男子高校生と、朝見た男子高校生とまったく同じ人が立っていた。



私はあまりの突然にびっくりし、少しの間何があったのかわからなかった。


すると生徒会長が、


「みなさん、入学おめでとう!僕は2ーA組12番生徒会長、沢崎裕太(さわざきゆうた)だ。2年で生徒会長って頼りない…かと思うかもしれないが、誰よりもこの学校をより良くしようと思ってる。だから、高校生活3年間存分に楽しんでくれ!」


と生徒会長らしい言葉で言った。


周りの女の子はみんなあの綺麗な顔の虜になって

「会長、頼りにしますーー!!!!!」

とか、

「会長カッコいいー!!」


などと悲鳴をあげている。


もちろん、愛梨も。


でも私の中で何かが引っかかった。



なんだろうこの感じ…と思っているとあることに気付いた。



この声って日野裕太君の声と似てる…


何か引っかかる思ったら、声が日野裕太君だ。


私は興奮し勢いあまって、


「ま、まさか!!あの裕太君??!!!」



と、声を荒あげてしまった。
周りの生徒の視線がこちらを向いている。
もちろん、裕太君も。


「あ、ヤバイ…」


私は注目を無くそうと顔を下に向けた。


愛梨がこちらを見て、「何してんの?笑、」とでもいいたげな顔をしてきた。



愛梨そんな顔しないで助けてよ…



と落ち込んでると裕太君が空気を変えるように



「そうだよ!笑笑、裕太君だよ!」



と言ってきた。


会場に笑いが溢れる。


助かった…の?


と安心してたら、


「そこの生徒さん、後で生徒会室来てもらってもいいかな?あ、大丈夫、怒ったりしないから!ちょっと事情聴取だよ。(ニコッ)」


と前に私を落とした笑顔で言ってきた。



いきなりの生徒会長の発言に、周りの女の子は叫びっぱなし。



女子に睨まれるは男子に笑われるは、もう穴があったら入りたいとはこのことなんだろう。




私は否定することは愚か、頷くことしかできなかった。









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