待ち合わせは5分以内に
またこれか…

この手のいざこざは大学に入ってから何度かあった。矛先は唯華だったり私だったりするけど、いずれにせよよくある事だった。

通りかかった人が気の毒そうな顔をしてこっちを見ている。

朝からこんな面倒事に巻き込まれるなんて、今日は厄日かもしれないと思わず私はため息をついた。

それがお気に召さなかったらしい。
付き添いで来たであろう女の子が私の事をキッと睨む。

そこそこ可愛いのに眉間にシワを寄せ、目を釣り上げてしまっては台無しだ。
なんて事を思っていたら、いつの間にか矛先は私の方に向いていたみたいだ。

これもよくある事だ。見るからに気の強そうな唯華よりも私の方が攻めやすそうに見えるのだろう。

それに、唯華は学部内、いや、学校内でも一、二を争う美人だ。自分よりも明らかにスペックが上の唯華より、私を選ぶのは当然だ。
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表紙・目次

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