冷たいキスなら許さない
はあーっと大きなため息をこぼして俯くと、
「ため息一回に付き一個幸せが逃げる」
と運転席からからかうような調子で言われてちょっと腹が立つ。

「このため息、誰のせいだと思ってるんですかっ」
「うん?俺のせいか?」
「あなたのせいです」
こくこくと頭を揺すって何度も頷いてやる。

「まあ、同じ布団で朝まで眠ったのはまずかったな。でも、お前が俺の腕をつかんで離さなかったから逃げるに逃げられず、お前の眠りが深くなるまで待ってたら俺も眠っちまったんだからこれは同罪っていうんじゃないか?」

同罪なの?
そう?

ま、まあ確かに昔の嫌な夢を見てうなされたところに社長の手があって。その手を触ったらこれは全て夢で、現在のものじゃないってわかって安心してその腕につかまってしまってぐっすり眠ってしまった・・・っていうのはやっぱり同罪か。

いや、社長は私の手を振りほどけず我慢してくれていたんだから私の方が悪い?

でも、
ご両親が誤解して大騒ぎになった時にキチンと否定して誤解を解いてくれたらよかったんじゃないの?
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