冷たいキスなら許さない
「すごいっ。本物初めて見ました!」
「頂いてもいいんですか?」

「もちろん。だってこれワイロだもん。でも、これもらったってことは・・・」
意味ありげな顔をすると
「今日のことは内緒です!」
「ヒミツです」

二人の目がキラキラと輝き、二人とも若くてかわいいなと思う。
「うん、オッケー。どうやって手に入れたかも秘密。
ちょっと休憩していいわよ。写真撮ってSNSに載せたりしたいでしょ?どうぞ」

わあいと喜んで二人はチョコレートを持ってダイニングルームに向かっていった。
きっとダイニングキッチンのモザイクタイルや一枚板のテーブルを背景にしてチョコレートの写真を撮るんだろう。

彼女たちは23才。私とは4つ位しか離れてないはずだけど、私にはもうあのフレッシュな感じは微塵もない。
そうだ、誕生日が来たら私はもう27才になるんだっけ。きゃぴきゃぴてしてる方がおかしいか。

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