毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
まっすぐ見つめられると、恥ずかしくて顔を背けてしまいたくなるくらい、本当に大馳はかっこよくて。

逆に、この距離で見られてる自分の顔がたまらなく不安になってくる。


だってこの距離……け、毛穴まで見えるんじゃ……。


なんて私が余計なことを考えていると。


「勉強が出来るから好きとか、足が早いから好きとか。そんな理由で好きなやつが決まるのは小学生までだろ」


そう言って、大馳は再びクルッと背を向けると歩き出してしまった。


少しずつ離れていく大馳の背中を、追いかけることもせずに考える。

……確かに。小学生の時の"好きの基準"って、言われてみれば「足が早い」とか「勉強が出来る」とか「優しい」とか。

もっと言えば、ただ単に「顔がかっこいい」とかそんな事だった気がする。


───じゃあ、いつから?

いつから人は、それ以外の理由で恋をするようになるんだろう。


……大馳、好きな人いるのかな?
だとしたら、どんな子なんだろう。


どんな子を可愛いと思って、どんな瞬間にときめいて、どんな時に好きだなって思うんだろう。
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