全てを失っても手に入れたい女が居る

みんなが帰った後も小野田さんは残ってくれた。

「小野田さん…帰らないんですか?
アメリカへ」

「ああ、仕事辞めた!」

「はぁ!?」

「ここへ来る前に電話してボブに辞めるって伝えた」

伝えたって…
そんな簡単に…

「あの…私の為にですか?
あの…単身赴任って事でも…?」

「はぁ!?
新婚早々離れるなんて俺は嫌だね!!」

「いや…でもですね?
仕事は…」

「心配するな!
梨華の一人くらいなんとかなる!
都内にマンション建つ程度の貯えも有るしな?」

都内にマンションを建てれる…?
凄すぎて、よく分からないけど
暫く仕事しなくても暮らせると言うことだろう。

「本当に辞めたんですか?」

「ああ、辞めた!
正しくは仕事人間を止めた!
此方で起業して無理しない程度に働くつもりでいる。
だから心配しなくて良いよ?」

「そうですか…でも良かったです。
少しは自分の体の事も考えてくれてるみたいなので?…少し横になって良いですか…」

「ああ、ごめん疲れたよな?」

「ちょっと痛みが…さっき痛み止め使えなかったので…」

ナースコールを押し看護師さんに痛み止の座薬をお願いした。すると悪魔がナースグローブをはめ、ニヤリと笑った。

「看護師のみなさんは何かと忙しい様だから、俺がやってやるよ?
梨華の未開発の部分を俺が…」

「…………」

イヤー!!
お願い…嘘だって言って!




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