クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「ふたりとも幕張から直帰しなさいね。電車が動いてるうちに帰るんだよ」
「そうですね、鉄道も夜間運休の話が出ていますし。まあさほど遅くならずに帰れると思います」
最近は風雨の災害も多いし、私個人だって嵐のように荒天は苦手だ。苦手というか……とにかく一刻も早く帰宅して安全な自宅で籠っていたいことは確か。
ミーティングが終了したら、急いで帰ろう。幸いにも都心部の電車は強い。運休は夜間帯だけと言われているし、夕方に終わるミーティングなら帰宅はできるはずだ。
午後になると太陽はすっぽりと雲に覆われてしまった。厚ぼったい雲で周囲は夕方ほどに暗い。
間違いなく天候が崩れる雰囲気だ。うーん、嫌な感じ。
「阿木さーん」
営業に書類を届けて総務に戻る廊下で声をかけてきたのは秘書課の横手さんだ。
あの騒ぎから、ひと月ちょっと。なぜか私は敵視されていた横手さんから懐かれている。
同じ階で課は違えど総務同士。顔を合わせるたびに親しげに話しかけられるのだ。
「阿木さん、阿木さん!今日は定時が早いそうですねぇ。常務の会食の予定がなくなったので、私も早帰りです」
「そう、ラッキーね」
ニコニコ話しかけてくる横手さんは、相変わらず声のボリュームは大きいけど無邪気で可愛い女の子だ。そんな彼女が思いついたように表情を輝かせた。
「そうだ!今日もしお暇ならごはんでもご一緒しませんか?」
「横手さん、今夜大雨よ。だから帰宅指示出てるんじゃない」
注意するというより、面白くてクスクス笑ってしまうと、横手さんが慌てて取りなすように言う。
「私の家、ここから近いんです。天候が崩れる前に我が家に避難しちゃえばいいんですよ!うちの母がごはんを作ってくれるので、一緒に食べましょう!そうだ、こうちゃんも呼べばいいんです」
「そうですね、鉄道も夜間運休の話が出ていますし。まあさほど遅くならずに帰れると思います」
最近は風雨の災害も多いし、私個人だって嵐のように荒天は苦手だ。苦手というか……とにかく一刻も早く帰宅して安全な自宅で籠っていたいことは確か。
ミーティングが終了したら、急いで帰ろう。幸いにも都心部の電車は強い。運休は夜間帯だけと言われているし、夕方に終わるミーティングなら帰宅はできるはずだ。
午後になると太陽はすっぽりと雲に覆われてしまった。厚ぼったい雲で周囲は夕方ほどに暗い。
間違いなく天候が崩れる雰囲気だ。うーん、嫌な感じ。
「阿木さーん」
営業に書類を届けて総務に戻る廊下で声をかけてきたのは秘書課の横手さんだ。
あの騒ぎから、ひと月ちょっと。なぜか私は敵視されていた横手さんから懐かれている。
同じ階で課は違えど総務同士。顔を合わせるたびに親しげに話しかけられるのだ。
「阿木さん、阿木さん!今日は定時が早いそうですねぇ。常務の会食の予定がなくなったので、私も早帰りです」
「そう、ラッキーね」
ニコニコ話しかけてくる横手さんは、相変わらず声のボリュームは大きいけど無邪気で可愛い女の子だ。そんな彼女が思いついたように表情を輝かせた。
「そうだ!今日もしお暇ならごはんでもご一緒しませんか?」
「横手さん、今夜大雨よ。だから帰宅指示出てるんじゃない」
注意するというより、面白くてクスクス笑ってしまうと、横手さんが慌てて取りなすように言う。
「私の家、ここから近いんです。天候が崩れる前に我が家に避難しちゃえばいいんですよ!うちの母がごはんを作ってくれるので、一緒に食べましょう!そうだ、こうちゃんも呼べばいいんです」