キミへの想いは、この声で。

私はためらいながらもちいさく頷くと、颯太くんのクレープを少しだけ噛った。


口いっぱいに広がるのはチョコ味のバナナとふんわりとした生地だった。


バナナ&チョコもすごく美味しい……!


私が嬉しそうにすると、それが伝わったのか颯太くんも嬉しそうに笑って。


「俺、茜の笑った顔が一番好きだよ」


とびきりスマイルでそう言われた。


────『好き』


そのたった二文字にわけもなく胸がドキドキして、落ち着かなかった。


どうしたんだろう、私……。


なんか顔熱いような……。


するとそんな私の左肩を誰かがガシッと掴んだ。


「あ、茜……」


見ると掴んでいたその人物は優乃ちゃんだった。

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