キミへの想いは、この声で。

「普段、ひとりでいるヤツほど、友達がほしかったりするものだろ。

声が出せないってだけで、避けてるヤツとかあんま関わんないでおこうとかするヤツ、たくさんいるけど、そんなくだらない理由で佐藤さんから距離を置けば、また佐藤さんを傷つけることになるじゃん。

……俺は、そんな声のこととか友達になるのに関係ないと思っているから。

だから俺は、佐藤さんをひとりにしないために、絶対佐藤さんの友達になって、辛い過去を取り除いてやるんだ」


颯太は真剣な瞳ではっきりとそう言い切った。


さっきまで無音の気がしていた周りも、気がつけば低学年たちの楽しそうな声が聞こえてくる。

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