キミへの想いは、この声で。
エピローグ

──一ヶ月後。


「茜、おはよう!」


「おはよう、颯太くん!」


バレンタインの日に告白して一ヶ月が経った今日この頃。


私と颯太くんの関係は、告白前となんら変わりばえはない。


朝、廊下で会えば「おはよう」を交わし、帰りの時間になれば、「また、明日」と手を振る。


今までと、なにひとつ変化はない。


あるとすれば──……。


「茜、おっはよーー!!」


「優乃ちゃん、おはよう!」


ハイテンションで教室に入ってきた優乃ちゃんに、私も慌てて挨拶を返す。


「……お前、少し静かになれよな」


そんな優乃ちゃんを後ろからコツンと小突く徳原くん。


ふたりはあの日以降、こんな風にふたりで登校してくることが増えた。

< 330 / 337 >

この作品をシェア

pagetop