キミへの想いは、この声で。

よくある家族写真。


俺はその写真に笑顔で写っている自分ではなく、その隣にいる無表情の男子に視線を向けた。


──俺の双子の兄。


小二のときに親が離婚して遠くに行ってしまったけど、仲は良いほうだったから今でもよく会っている。


俺はふぅ……、とため息をこぼすと、写真立てを元の位置に戻した。


「……約束、ちゃんと守るから」


そう呟いてから、俺は自分の部屋をあとにした。





「颯太ー、これ手伝ってちょうだい」


「え、母さん、また?」


母さんに頼まれ、洗濯物をたたむ手伝いをしていると、台所から母さんがひょこっと現れ、食器洗いをしろと促す。


「〝また〟ってなによ、〝また〟って。

アンタ、どうせ暇でしょ」


「……わかったよ」


俺が渋々頷いてみせると、母さんは上機嫌で風呂場へと向かった。

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