キミへの想いは、この声で。

クロネコは少年漫画で毎月発売される雑誌のひとつ。


私は読んだことないけど、どんな話があるのかくらいなら、一応把握している。


颯太くんは、どの話が好きなのかな?


ちょっと、気になるかも……。


私はイスを後ろに引くと、颯太くんのほうに顔だけ向けて手話で問いかけることに。


『颯太くんは、どのお話が好きなの?』


「俺は……、バスケ関連の話かな。

ちいさい頃からバスケするのが好きでさ、だからバスケ漫画は見てて面白いって感じるんだ」


キラキラした目で語る彼は、幼い子どものようで。


こんな一面もあるんだなぁと思えた。


「茜はスポーツだったら、なにが好き?」


急に質問を投げかけられた私は、その言葉にキョトンとしてしまう。

< 97 / 337 >

この作品をシェア

pagetop