チャラめ男子と鈍感女子
「片瀬さん...さっきのは一体?」
話しかけてきたエミリーの表情からは、困惑の色が見える。
そりゃ目の前でいきなり討論されたら訳分かんないか...
「えっと、エミリーが誘いを断りづらいんじゃないかと思って...手助けしようと...」
本当は自分自身が嫌だから何だけど。
あぁ、素直に言えない自分が憎い!
「そうなんですか? でも断るくらい、自分で出来ます。子供扱いしないで下さい!」
あんまり見る事がないエミリーの怒った顔。
子供扱いした訳じゃないんだけどな...
「ゴメン、エミリー。そんなつもりはなかったんだ」
「あっ…いえ、私の方こそムキになってしまって...」
ふと二人とも無言になり、俺とエミリーの間に静寂が訪れる。