チャラめ男子と鈍感女子
「へぇ、そうなんですか。もしかしてお二人は...恋仲、だったりするんですかね?」
「だったら何?」
不敵な笑みを崩さなず話しかけてくる赤羽に、俺も笑みを返す。
「あの、片瀬さ...」
「エミリーは黙ってて!」
喋り出そうとするエミリーの言葉を直ぐさま遮った。
今話されたら、俺の話が嘘だってバレちゃうし!
「いえ、...では今日は片瀬さんに免じて退散するとします」
そう言って、俺とすれ違う瞬間...
「口説き落とすのは、槙さん一人の時にでも」
とわざと俺に聞こえるように呟いていった。
それを聞いた途端に顔がカッと熱くなる。
呼び止めようと振り返ったけど...
すでに赤羽は教室からいなくなっていた。