DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


話がやっと読めてきた。



「んじゃあ、さよ子ちゃんが行方不明になったってのが、学校サボるほどの緊急事態の内容ってわけ?」



海牙は深々とため息をついた。



「そうなんです。駅前のライヴに行くときにはぼくを引っ張り出して護衛をさせたくせに、

本格的に危うい場面には一人で突っ込んでいくんですから、さよ子さんが何を考えているのか、本当にわかりません」



文徳が表情を険しくした。



「阿里くんはメールの文面を見た?」


「見ました。さよ子さんのパソコンのスリープを解いたらメール画面が出てきたそうで、屋敷の人から写真で送ってもらいました」


「ポエムみたいなメールじゃなかったか?」


「どうしてわかるんです?」


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