DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
十章:支配_under_control

「いい子だ、理仁」



二人乗りのバイク三台で疾走した。


おれと海牙の体力を温存するために、おれは号令《コマンド》で交通整理をせずに、海牙は姉貴のバイクの後ろに乗って、法定速度内で可能な限り、かっ飛ばしてきた。



そして、おれたちは、やつの牙城に乗り入れる。


やつの名前は長江孝興《たかおき》、牙城ってのは襄陽学園。


そして、おれたちが目指すべき決戦の舞台は、地下駐車場の奥にある。


セキュリティはどうにかなるだろう。


学園のあちこちを突破するための合鍵なら、いつだってカバンに入れて持ち歩いている。



獰猛で俊敏なエンジン音が地下駐車場のコンクリートの壁に反響する。


蛍光LEDがポツポツとともるだけの薄暗い空間を、三つのヘッドライトが鮮烈に照らし出す。


ぶっとい四角の柱、低い天井、排気ガスの匂い。


< 302 / 405 >

この作品をシェア

pagetop