DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


「五つ目、あんたはやり口がセコいんだよ。警察に突き出されておかしくないことばっかやってるくせに一度も前科がないのは、あんたが上手に相手の弱みを握るからだ。

ねえ、文徳《ふみのり》、パソコン得意だよね。そこのパソコンの画像、削除よろしくね」



おれが言った途端、さよ子が顔を伏せた。


パソコンに注目が集まって、空気が凍る。



ごめんね、さよ子ちゃん。見られたいもんじゃないよね。


わかってんだけど、おれはもう見ちゃったし、この状況じゃ仕方ない。



パソコンのディスプレイを占領しているのは、椅子に縛り付けられた少女の写真だ。


ずぶ濡れで、淡い青色のワンピースは透けてしまっている。


目隠しと猿轡《ボールギャグ》。


両脚を開いてロープを掛けられた姿は、肌の露出がなくても、十分に倒錯的で煽情的だ。


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