大好きな先輩は隠れ御曹司でした
そのまま、岡澤に誘われるままに恍惚の世界をたゆたうのは、ひどく幸せな時間だ。
彼に触れられた場所が甘い熱を持ち、その熱がいつの間にか全身に広がっていく。大切にされている、愛されていると無条件で信じられる抱かれ方で、光希の心から卑屈な想いも消え去っていく。

「もう少しだけ、待ってて」

そうしたらきっと自信が持てるから。先輩の隣は私の指定席なんだって確信出来るから。

秘密の願いを聞こえないようにそっと呟いて、光希はゆっくりと瞳を閉じた。





















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