大好きな先輩は隠れ御曹司でした
光希と違って岡澤は鋭い人だから、このメールだけできっと気付いてくれるだろう。

岡澤が女子社員と一緒に出張に行くのを理解していること。でもそんな岡澤は自分の恋人なのだと、光希が主張したいと思っていること。

返信はすぐに来た。

『ありがとう』

一言だけのメールと変なキャラクターが喜ぶスタンプ。

それを笑顔で確認して、光希はそっとスマホをしまった。

案ずるより産むが易し、は本当かもしれないと思いながら。

















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