Silver Night-シルバーナイト-



「何が」


「いつも迷惑かけて…」


ポタリっと、一粒…また一粒と琉聖の貸してくれた上着にシミを作っていく。



あれだけ泣いたのに…まだ涙は枯れていない。
この気持ちが枯れ果てるまで…涙が止まる事はないのかな。



「お前ってさ、馬鹿だよ」


「……ば…か?」


「あぁ、バカ。しょーもないくらいバカ」



私が通っている学校はここら辺で知らない人がいないほどの名門校だ。だけど…馬鹿らしい私…でも何でそう言われたのか自分じゃ分からない。それって確かに馬鹿なのかもしれない。



「俺のこと、何だと思ってんだ」


「………」


「お前が何で一人で暮らしてんのか、何でいつもどっか寂しそうな顔してんのか、俺はしらねェ」


「………」


「お前の心の中も、本心も知らねェ。けど、お前が話したくないならそれで良いと思ってた。それを話さないからって俺達の何かが変わるわけじゃない」



「……琉聖…」


「その意味わかるか?」


「…意味?」


「あぁ、お前はもう一人なんかじゃない。一人だなんて思うな」


「………ッ…」


「頼れよ、一人で抱え込んでんじゃねェ」



「……ぅうっ…」


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