Silver Night-シルバーナイト-
良く考えればわかる事だった。
いつもは何処か適当で意地悪なのに、それでも私の変化や周りの変化を一番に気がつくのはいつだって琉聖だった。
自分じゃ気がつかない事でも、琉聖はいつも気が付いて支えてくれてた。
そんな琉聖が、幼馴染のひなのさんの気持ちに気が付いてないわけがない。
そして、琉聖は琉聖なりの優しさでそれをひなのさんへ返してる。
梓はどうだったんだろうか……私の気持ちに気が付いてくれてた?
それとも分かっていなかった?
私が「好き」だと言った時、梓はどう思ったのかな……少しでも嬉しいって思ってくれてたかな……
あの子じゃない、私を一番にしてくれるなんて思ってない。
そこまで自惚れてもない。
ただ、私は逃げたんだ。
梓への気持ちから。
そして……梓から……