Silver Night-シルバーナイト-

帰り道、駅近くのお弁当屋さんで二人分のお弁当を買って家へと戻る。


梓達といる時ほどでは無いにしても、聖といるのもかなり目立つ。


まさに童話から出てきた王子様だもんなぁ


紳士的で爽やかなオーラだだ漏れというか


シルバーナイトのメンバーとはまた違う意味で目立っている。


部屋へと着き、テレビ前のローテーブルへお弁当を並べると、冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出して聖の隣へと座った。


「今日は塾休みなんだね、珍しい」


「あぁ、来週から家庭教師に切り替える事にしたから」


「家庭教師?それはまた大変そうだね」


お箸を割ってお弁当のおかずを口へと運ぶかたわら、横目で聖へと視線をやる。


「なるべく莉愛と家にいる時間を多くしたいから」


え…?じゃあ私のために塾から家庭教師へ切り替えたってこと…?


「聖…相変わらず心配性」


そこまで心配しなくても、聖は聖の好きなようにして良いのに。


いつも気を使わせているな…


「ごめんね、いつも」


「俺がしたくてやってる事だから」


当たり前のようにそう言ってくれる聖の優しさに、やはり私は昔から何度も救われている。

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