witch
私は大川ないとに近づくタイミングを探した。
昨日のことを考えていたら彼に対して興味が沸いた。

私は彼を目でおう。授業中のため近づくことは出来ないが、この授業が終われば近づけるかも知れない。

だが、運は私に味方しない。授業終わりの休み時間はこまりがずっとついていた。なんとなく気まずくて近寄れない。お昼休みも彼は教室を出ていき、帰ってくるのは授業が始まるギリギリだ。ついてないと私は思った。


結局チャンスが回ってきたのは翌日になってだった。
その日こまりは風邪で休んだ。絶好のチャンスだ。
私は意を決してないとに接近した。
「ねぇねぇ、大川ないとくんだっけ?」
私はなるべく彼に不審に思われないよう言葉と態度に気を付ける。
彼はゆっくりこちらを向いた。その顔を見て私は驚く。

彼はとてもキレイな顔をしていた。
少し青がかった宝石の様な美しい瞳。
雪のような白い肌。
整った顔立ち。
漆黒の髪の毛は窓から入ってきた風に揺られて、なびいていた。思わず触ってしまいそうになるが我慢する。
「何?」彼はあからさまに不審がった顔をしてそのキレイな目で私を見る。その顔さえも美しかった。
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